現代を生きる日本人にとって、どのような生き方をすることが望ましいのか。
AIに取って変わられずに、未来に通用する生きた方とは何か。
その全てが本書『【デンマーク×日本式】未来に通用する生き方』に記されています
今回は、本書のレビューと、本書の要約をご紹介していきたいと思います☺︎
✏︎この記事で紹介していること✏︎
- 『【デンマーク×日本式】未来に通用する生き方』レビュー
- 『【デンマーク×日本式】未来に通用する生きた方』要約
→3つの”しごと”について
→30年後のデンマークの生活
→キングコング西野亮廣さんの考え方のヒントを見つけた気がする
『【デンマーク×日本式】未来に通用する生き方』レビュー
まずはじめに、『【デンマーク×日本式】未来に通用する生き方』のレビューをご紹介します
読みやすさ:★★★★
本書は全211ページと読みやすい量でありながら、”未来に通用する生き方“について
- どうしてデンマーク式の生活スタイルが未来に通用するものなのか?
- デンマークと日本の考え方・価値観の共通点
- 幸福度世界一のデンマークによる、【人間本来の生き方』とは
ということが、具体的なデータや根拠、実話を用いて説明されており(俗に言う”ビジネス書”形式)最後に、30年後にデンマークで展開されているであろう生活様式が”小説形式”で書かれており、小説好きのわたし(堅苦しい感じのするビジネス書は不得意)には、最後の最後に小説形式として自分の中にスッと入ってくる感じがしました。本書の位置づけとしても、広い目で見れば”ビジネス書”というジャンルに位置するのかもしれませんが、『こんな生き方を実践したい!そのためにはどうすればいいんだろう?』と考えるきっかけになる、専門書(絵の書き方や、パソコンスキルを学ぶ本、他言語を学ぶ本など…)に近いのかなと感じました。北欧の生活スタイルに憧れを感じるわたしにとって、全てが理想的な生活・考え方で、小説気分で読み進めることができた1冊です。
内容:★★★★★
本書全体を通してモットーとしていることが、『未来を幸せに生きる』ということなのだと強く感じました。そのために必要な考え方としての、3つの”しごと”(仕事・私事・志事)についての説明、そしてそれらの実践方法をデンマークの生活や価値観を踏まえてされており、それら全体を通して『未来に通用する生き方』とは何かを説明しています。わたしがまず驚かされたのが、デンマークがあまりに近未来的に発展しているということでした。デンマークでは、デジタル化やIoTなどが大きく発展し、キャッシュレスが大幅に普及し、電子政府が進展しているのです。そんなデンマークでは、国民が技術を使いこなしつつも、自然と共生するという豊かなライフスタイルを送っており、これが『未来に通用する生き方』へのカギだということがよくわかりました。
真新しさ:★★★★★
デンマークでのライフスタイルは、
- 自然と共生している
- シンプルで暖かみがある
- 大切な人とゆったりとしたひと時を過ごす
というようなヒュッゲと呼ばれる幸福感を表すライフスタイルをとっています。このヒュッゲという考え方は、日本で言う『足るを知る』(「無い物」ではなく「足りているもの」「あるもの」に注目するという考え方)という昔ながらの考え方に似ているところがあり、一見すると高度に発展した未来にはあまり関係ないような考え方のように思われます。しかしこの考え方こそが、いつの時代でも幸福に生きるための考え方だといい、未来✖️昔ながらの考えというところに真新しさを感じました。
『【デンマーク×日本式】未来に通用する生き方』要約
ここからは、『【デンマーク×日本式】未来に通用する生き方』の要約をご紹介します!
本書では未来を幸せに生き抜くための3つの“しごと”を定義しており、それら3つがしっかり揃っていることが幸福な人生の条件としています
そこで今回は、
- 3つの”しごと”とは何か?
- なぜデンマーク×日本式なのか?
- 意外と知られていない、デンマークの現在と30年後の生活について
の3点に分けてご紹介していこうと思います!
3つの”しごと”とは何か?
本書では、3つのしごとの3本柱がしっかり揃っていることが、幸福な人生の条件だと提唱しています
その3つの仕事というのが、以下に示すものです。
3つのしごととは
- 仕事・・・生活の糧を得るため、はたらくこと
- 私事・・・健康の管理・家庭・家事・趣味や余暇を含めた、あなたの個人的な事柄
- 志事・・・自分の好きなことで長続きするたのしいこと。それが、世の中の何かのため、誰かのため、そして未来のためになる。そういう旗印としての、他者にも伝わる志の活動
このどれか1つだけが突出していたり、欠けていると幸福な人生から離れていってしまいます。3つ揃っているからこそどんな不安定な地盤にも立っていられるのです。
例えば仕事ばかりに突出して、家族や友達という私事をおざなりにし、抜きんでた志事を持たなかった場合、定年で仕事を辞めた後には、家族仲はもちろん冷え切っており、友人と言える人もいない。そして心から熱中できる活動もない。つまり残るものが何もなく、幸福感を得られずに人生を終えると言ったことになりかねません
人生をデザインする
著者は、常に自分の30年後の姿を想像して、未来の人生をデザインすることを重要視しています
100歳まで生きることが当たり前になりつつある現在では、例えば65歳で定年退職したとしても、その後100歳まで生きるとすれば35年もあるのです
仕事についている期間とほぼ同じくらいの時間が残されており、しかもその期間をなにもせずに過ごすのは、精神的にも経済的にも厳しいことは間違いありません
自分の30年後なんてイメージできないよ〜
そこで!未来の人生をデザインするひとつの方法として提案されているのが“私淑”という方法です
私淑とは?
私淑とは、『直接教えを受けるわけではないが、その人を尊敬して師と仰ぎ、模範として学ぶこと』です
自分が尊敬する人の言動を模範するという方法で、実際に教えを受けるわけではありません
つまり、同年代を生きる人物ではなくても、書籍にのっている過去の人物や、海外の方など、自分が『この人のようになりたい!』と思う人の言動を模範するのです
30年後にこうなりたい、と思ったことを今できることから行動を始める
これが、人生をデザインするということなのです
なぜデンマーク×日本式なのか?
なぜ未来に通用する生き方が、デンマーク×日本式なのか?
この理由を説明する前にまず、これからの未来に起こりうる変化について説明します
未来に起こる変化
これからの未来では、今よりも一層スーパーコンピュータや量子コンピュータの発達により、生活の至るところで高度なデジタル化がなされていくと予想されます
そのように未来は高度化する一方で、人間の基本的な営みはいつの時代も変わらないのです
いつの時代も変わらないこと
- 五感(眼・耳・鼻・舌・身)で情報を認識して活動すること
- 考えること
- 睡眠すること
- 生まれた瞬間から衰え続けて最後は死ぬこと
人類が滅ばない限り、これら4つの営みは永遠に変わることがありません
この中でも特に、人間としての基本能力として大切なことは、
- 五感
- 考えること
であると言います。その理由として、これからあらゆることがデジタル化されていく現代では、触覚・聴覚・視覚のほとんどがバーチャルリアリティによって実現できてしまい、これらは人間の基本能力を衰えさせうる危険性があるためです
人工知能が人間の能力を凌駕し、たくさんの仕事がなくなってしまうとういうような社会の変化が予想されています。。
そんな未来に通用する生き方で最も大切なことは、これからも不変の人間として基本の能力を磨き続けるということです
本書では、人間の能力が退化しないように維持するために、大切なことを2つ紹介しています
- 五感(眼・耳・鼻・舌・身)を正しく使い、しっかりと本物の情報を正確に認識して活動する
- 考える能力を向上した上で、機械や人工知能にはない『直感力』、『幸福力』、『社会貢献力』を駆使し、変化する環境に適応して生きる
機械が得意なことは、データに基づく論理力・計算力・記憶力などであり、これらは感情による影響を受けないことが強みとなります(機械には感情がないため)
対して、人間に備わっていて機械にはない一番大切な能力と言えば、五感をもとに磨かれた『直感力』といえます
人間は五感を駆使し、長年の経験に基づいた想像力・発想力・察知力・柔軟な対応力を維持することができれば、機械に負けることは考えにくいと言えます
デンマークと日本に共通する考え方
こうした背景の元、デンマークと日本に共通する思想・考え方は人間としての本質に深く通じているところがあるため、『未来に通用する考え方』として挙げられているのです
これは、2カ国に共通する考え方からよく理解できます
デンマークと日本の共通点
- 自然と調和した生き方
- 足るを知るという考え方
- 人々と助け合うという精神
北欧のデンマークと東洋の島国日本、どちらも遠く離れており、文化も全く違うもののように感じますが、実は2つの国の思想・生き方には共通点があるのです
欧米社会ではあまり重要視されないこれらの考え方が『未来に通用する生き方』の基本にあると言えます
あまり接点のないような2カ国に感じますが、思想とても似ているのです!
デンマークに行った日本人の方は、『なんだかほっとする』と感じる方が多いそうです♪
30年後のデンマークの生活
続いて、わたしが特に驚いたデンマークの30年後(2050年)に目指す社会をご紹介します
デンマークの30年の生活
- 風力発電やバイオマスなど再生可能エネルギーによるエネルギー社会の実現
- 車は電気自動車か水素自動車で、ガソリン車とディーゼルエンジン車は姿を消す
- 電子政府、国家のデジタル化が進み、行政機関の完全ペーパーレス化、行政サービスがネットワーク経由で受けられる
- 完全キャッシュレス社会の実現
- 遠隔医療の実現により、モバイルヘルスや介護ロボットが日常的に利用される
なんだか遠い未来の話みたい。
ほんとに実現可能なの?
わたしたちから見てみれば、なんだか遠い未来の話のように感じますが、現在のデンマークもすでにすごく高度に発展しているんです!
例えば、現在でも既に電子政府が進展しており、行政サービスの大半がネットワークで自宅にいても利用できたり、遠隔医療サービスが本格的に開始されたり、キャッシュレス化も普及しています
北欧の小さな国にもかかわらず、高度に発展した社会が実現しているのです
デジタル化が進み、IOTなどの先端技術が展開されているが、国民はそれらの技術を使いこなしつつも、自然と共生した豊かなライフスタイルを送っているのです
わたしが特に驚いたのが、デンマークは環境に配慮した自転車社会だということです!
そのため、自転車専用の高速道路もあるんだとか!!
【おまけ】西野亮廣さんの考え方のヒントを見つけた気がする
最後に、本書では未来に通用する人間になるために言葉を磨くことの大切さを紹介しています
なぜ言葉を磨く必要があるのか?その理由は、これからどんどん世界の多様化が進んでいき、自分の価値観と異なる人たちとコミュニケーションを取る必要がでてくることが多くなることが予想されます
また、デジタル化に伴いメールなどスマホやパソコンでのやり取りが増えることがほとんどだと思います
価値観が異なる相手とのスマホ同士の短い文章のやりとりでは、誤解が生まれてしまう危険性もあります
つまり、他者とのやり取りにはもちろん、あらゆる情報が飛び交う中で、その一つ一つを自分の中で噛み砕いて理解して、時代に流されないためにも、語彙が必要なのです
それに加えて著者は、コミュニケーションの第一歩はオープンマインドであることを伝えることだと言います
簡単に説明すると、
『あなたを迎え入れていますよ』
『あなたの敵ではありませんよ』
ということを相手に分かってもらうということです
これに必要になってくるのが笑顔、そして挨拶だといいます
つまり、言葉は大前提でもちろん大切ですが、人と人とが心を通わせるためには、笑顔・挨拶・相槌といった、言葉ではないコミュニケーション(ノンバーバルコミュニケーション)が大切だと言います
この考え方は、至って新しい考え方ではなく、コミュニケーションの基本ともいえることですが、
デジタル化が進み、対面での会話が減る(メールなど画面上でのやりとりが増える)未来の生活には忘れてはならない考え方だと感じました
この考え方が西野亮廣さんの考え方の根底にあるのかな?と少し感じました
その発言をしていたのが以下のYouTubeの動画です↓↓
この動画で西野さんは、『SNSの時代は終わった。今は足を動かして実際に会う時代』というような発言をしています
なぜ、デジタル化が進み、世界中のどこにいる相手ともスマホ一つで気軽に繋がれる時代になったにも関わらず、一昔前の手段である“実際に会う”ということが今の時代に必要なのか
その答えが本書に書かれていることなのではないか、と思いました
(この動画での大きな趣旨としては、今の時代はほとんどの人がSNSを活用していて、情報発信だけが飽和していて、だれも受取手がいない、というようなことを伝えているのだとは思いますが)
なぜ西野さん(常に時代を先取りしているような方)が一昔前の考え方を提唱するのか疑問に思っていたところ、本書を読むことによって、その理由が自分の中にストンと正しい位置にはまった気がしました
ぜひ一度、本書をお手にとってみてはいかがでしょうか?
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