『FACTFULNESS』から身につける、世界の正しい見方

本&映画の紹介

突然ですが、みなさんに世界についての問題を3つ出します

問1.現在、低所得国に暮らす女子の何割が初等教育を修了するでしょう?

  1. 20%
  2. 40%
  3. 60%

問2.世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう?

  1. 約2倍になった
  2. あまり変わっていない
  3. 半分になった

問3.世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょう? 

  1. 20%
  2. 50%
  3. 80%

世界には、まだまだ発展途上の国がたくさんあり、満足な食事や治療も受けられず亡くなっていく方が跡を絶たない…

一方先進国でも残酷なテロや事件がひっきりなしに起きていて、昔よりも恐ろしい場所になってしまった…

そのため正解は、それぞれ一番良くない答えの1番!

…という間違った世界の見方は今日でおしまいにしましょう!!

今回は、言わずと知れた名著『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』についてご紹介したいと思います!

この本をおすすめしたい方

  • 世界の正しい現状を知りたい方
  • データを正しく読みとる方法が知りたい方
  • 現在を生きる全ての日本人の方(本当にっ!)

この本を読んでわかること

  • ”思い込み”に囚われたものの見方をしていたと気づくことができる
  • 世界の正しい見方ができる

上記にもありますが、本書は本当に全ての日本人が読むべきだと思います…!

というのも、わたし自身が本書を読む前と後では、世界の見方が180度変わり、データの正しい読み取り方(データを正しく読み取ることで騙されない考え方)が少し身についた気がするからです

身近な例で言えば、Twitterやネット掲示板などの誹謗中傷の書き込みを見ててすごく思うのですが、一部の日本人の方の偏った考え方は、この、思い込み本能によるものなんだなあ…としみじみ思うようになり、それでいて、これらの本能を理解できたからこそ、“思い込みに振り回されるかわいそうな人”なんだと、客観的に落ち着いて見れるようになりました(*´-`)笑

そしてなにより、日本という何不自由ない国に暮らしているからこそ、世界の実情、とりわけ貧しい国の実情について、大半の日本人が勘違いをしているということを思い知らされる1冊です

ファクトフルネス(事実)に基づいた考え方を身につけ、身の回りに溢れる嘘偽りの中から正しい情報を手に入れて行くことが、世界のすべての人に必要なことであり、本書はその教本といえます

本書では、“ファクトフルネス”な考え方をするにあたって、乗り越えるべき10個の思い込み本能について紹介されています

今回はその10個の本能の概略をご紹介していこうと思います♪

本書はものすごく読みやすいのですが、なんせ量が多い!!笑

そのため、本を読むことが苦手な人や、普段本を読まない人だと少し手にとることに抵抗があるかもしれません(^_^;)

そこで本記事では、本書の内容の中でもより要点の部分に絞ってご紹介するので、もし気になる項目があればその点だけでもいいのでタップして読んでみてください!

各項目、最初:思い込み本能の説明最後:✏︎思い込み本能の解決策という形で書いているので、『要点の要点だけ知りたい!』という方にはそこだけ読んでもらうのもおすすめです!

この記事を読んで本書に興味を持たれた方はぜひ本の方も手に取っていただけたらと思います♪

人々は世界を誤解している

冒頭で出したクイズの答えがまだでしたねっ!笑

正解はすべて3番です!ちょっとびっくりしませんか?

著者は世界中を回り、さまざまな分野で活躍している優秀な人たちが集う講義でこれらのクイズを出していたそうです

これらの問題は3択制で、当てずっぽうでも1/3の確率で正解するわけですから、なにも考えなくても正解率は約33%になると考えられます

それに加え、講義を聞いている人たちは世界の問題を考えている優秀な人たちなので、正解率はさらに高くなると考えられるでしょう

しかし実際は、正解率は33%よりもずっとずっと低かったのです

ましてや、一般の人に同じクイズを出したときの平均スコアよりも低いスコアを出したノーベル賞受賞者までいるほど!!

科学者やノーベル賞受賞者といった優秀な人も間違えてしまうという事実からわかることは、知識不足や、知識のアップデートができていないことが問題ではないということ。つまり、大半の人々は世界を間違った見方で見ているのです

ファクトフルネスの10の本能

本書では、10個の思いこみ本能が世界を間違った見方をする要因だと考えており、それらがどういうものなのか、それを克服するためにはどうすればいいのかについて書かれています

まずはその10の本能についてご紹介し、それぞれについて具体的に説明していこうと思います!

ファクトフルネスの10の本能

  1. 分断本能
  2. ネガティブ本能
  3. 直線本能
  4. 恐怖本能
  5. 過大視本能
  6. パターン化本能
  7. 宿命本能
  8. 単純化本能
  9. 犯人捜し本能
  10. 焦り本能

これら10個の思い込み本能をしっかり理解すれば、世界をより正しい見方で見ることができるのです!

分断本能

分断本能とは、『世界は分断されている』と考えてしまう思い込みです

これは、この本の著者であるハンス・ロスリング氏が人々が世界について誤解していることを知り、その誤解を解いていくための第一歩とも言える思い込み本能です

具体的にどういう分断かというと、日本や西洋の国々など高度に発展した国々(わたしたち)と、アフリカなどの発展途上国と呼ばれる国々(あの人たち)という2つのブロックに世界を分けてしまうというものです

でも実際の世界を所得水準別に見てみると、世界はおおまかに4つのレベルに分けることができ、(所得の少ない方から順にレベル1〜4)、本書ではその4つのレベルで世界を見ることを推奨しています。人口の分布としては、

  • レベル1:10億人
  • レベル2:30億人
  • レベル3:20億人
  • レベル4:10億人

となっています

つまり、世界はわたしたちとあの人たちの2つのグループに分かれているのではなく、あの人たちの中にも3つのレベルが存在し、そしてなにより極度の貧困(レベル1)の割合は極めて少なく、大抵の人は中間(レベル2.3)に分布しているということ

わたしたちはレベル4の国々いるため、下のレベルの生活の違いがよくわからないがゆえに、“自分たち以外のあの人たち”と一括りにしてしまうのです

例えるなら、わたしたちは高いビルの屋上から下の景色を眺めているから、眼下の建物の高さの違いがわかりづらいですが、下から見上げるとそれぞれの建物の高さの違いがよくわかるということです

  • 人や国のグループには必ず最上位層と最下位層が存在するが、多くの場合、大半の人はその中間に存在する

ネガティブ本能

ネガティブ本能とは、『世界はどんどん悪くなっている』と考えてしまう思い込みです

このネガティブ本能の大きな原因としては、ネガティブなニュースの方が圧倒的に耳に入りやすいことがあります

たとえば、

  • 戦争や紛争の犠牲者
  • 核兵器の数
  • 児童労働
  • 飛行機事故の死者数 etc…

これらは全て過去に比べて格段に減り続けています

それでも“世界は悪くなっている”と考えてしまうのは、これらのネガティブなニュースは(減っているにもかかわらず)1度起こると大々的にニュースに取り上げられ、わたしたちの耳に届きやすいからです

たとえば『飛行機が今日も無事故で無事に○○に到着しました』なんていうニュースは放送されないし、ネガティブなニュースよりも人々の関心も得にくいですよね

それでは、どうすればネガティブ本能を抑えられるのか?

それは、『悪い』と『良くなっている』は両立するということを知っておくことです

例えば、生まれてすぐに危険な状態で保育器に入れられた赤ちゃんの例がわかりやすいです

この赤ちゃんは、生まれてすぐに保育器に入れられましたが、1週間経つころにはだいぶ体調が回復しました

しかし依然危険な状態ではあるので保育器に入ったままです

この赤ちゃんに対して『状態は良くなっている』というのは正しく、また、『状態が悪い』というのも同じように正しいです

『状態が良くなっている』からといって、『万事オーライ』というわけではなく、かと言って『状態が悪い』というのを選ぶわけでもない、つまりどちらともが両立する状況が存在するということをしっかり理解しておくことで、ネガティブ本能は解消できるのです

  • ネガティブなニュースは耳に入りやすく、広まりやすいということを理解しておく
  • 『悪い』と『良くなっている』は両立する

直線本能

直線本能、それは『グラフは真っ直ぐになるだろう』と考えてしまう思い込みです

これは世界の人口の増加について、人口は“ひたすら”増え続けるという思い込みにつながります

たしかに、事実として世界の人口はものすごい勢いで増えてきました。そして13年後にはさらに今より10億人増えると考えられているそうです

しかし今後世界の人口は“ひたすら直線的に”増えていくわけではありません。国連の予測によれば、人口の増えるスピードはすでに緩やかになりつつあり、これから数十年で減速する見込みです。世紀末には人口のグラフは横ばいになり、人口は100〜120億人で安定すると言われています。

たしかに、これまでの人口増加の歴史を見てくると、紀元前8000年からカウントして行くと、

  • 紀元前8000年〜西暦1800年:10億人
  • 1800年〜1930年:20億人
  • 1930年〜現在:70億人

こうしてみると、たった数百年で人口は爆発的に、そしてひたすら増えていると感じてしまいます。そして、地球の資源が枯渇するのも時間の問題だと思ってしまってもむりはありませんよね。

しかしそれは、この人口増加のグラフの続きを直線で想像しているからなのです

これは子供の身長の成長スピードで考えるととてもわかりやすいです!

小さな子供の身長は、1ヶ月で数センチ、半年や1年経てば数十センチ伸びてしまいます

ではこのまま同じスピードで伸びていけば?10歳にもなれば4,5メートルの大きい子供のできあがりです!

…しかしこんなのは冗談だと誰もが知っている。それは、子供の成長というものがどういうものなのか身をもって知っているからです

しかし、身近ではない分野に関しては、このグラフの続きを直線で考えることのばからしさを気づきにくいのです

それでは、この直線本能を抑えるためにはどうすればいいのか?それは、すべてのグラフが直線になるわけではないということを知っておくことです

グラフには様々な形があります

  • 直線
  • S字カーブ
  • 滑り台
  • コブ型
  • 倍増していく形

グラフには直線だけでなく様々な形があることを知っておき、また、直線になることのほうがめずらしいということをしっかり理解しておくべきなのです

  • 『グラフは真っ直ぐになるだろう』という思い込みに気づき、グラフには様々な形があることを知っておく
  • なんでもなんでも直線のグラフに当てはめない

恐怖本能

恐怖本能とは危険ではないことを恐ろしいと考えてしまうという思い込みです

これは、2つ目の本能『ネガティブ本能』に通ずるところがあるのですが、メディアはわたしたちが関心を持ちやすいニュースに焦点を当てて報道しています

たとえば、自然災害、戦争、病気、テロなど

これら“めったに起こらないようなこと”は“頻繁に起こること”よりも、より一層ドラマチックに聞こえ、人々が関心を持ちやすいのです

そういったニュースばかりを耳にして“世界は恐ろしいところ”と思い込むのではなく、現実をしっかり見ることが大切なのです。世界は実際よりも恐ろしく見えがちです。

リスクというのは危険度と頻度の掛け算で決まるため、そこに“恐ろしさ”は関係しません

恐怖本能を抑えるためにはリスクを正しく計算することが必要です

  • 恐ろしいものには自然と目がいってしまうということに気づく
  • リスク=危険度×頻度→恐ろしさは関係ない

過大視本能

過大視本能とは、『目の前の数字が一番重要だ』と考えてしまう思い込みです

例えば、ある世界経済フォーラムで話し合われた、世界の国々の二酸化炭素排出量の問題について、中国やインドなどの新興国が二酸化炭素の排出量を増やしているという話が出ていたそうです

そこでインド人のエリート官僚が発した言葉は、

『世界を危機的状況に陥らせたのは、100年以上にわたってどんどん石油を燃やし、湯水のごとく石油を使ってきた高所得国である。これからは一人当たりの二酸化炭素排出量について語り合うべきだ。』

そもそも、国全体の二酸化炭素排出量を見ているのが間違いなのです

国全体で捉えるならば、例えば肥満の問題であれば、アメリカよりも中国の方が深刻あるといえますよね。全国民の体重を足し合わせれば中国人の体重の方が重いのだから。

つまり、目先の数字だけで決めつけるのではなく、例えばその数字を他の比較したり、割り算をして割合を見るといったことが重要なのです

  • 目先のただ一つの数字に捉われるのではなく、他の数字と比較したり割り合いで考える

パターン化本能

パターン化本能とは、ひとつの例が全てに当てはまるという思い込みです

これは1つ目の本能である分断本能に通ずるところがあります

先進国のわたしたちと、途上国のあの人たち、というように分けてしまうのが分断本能であり、あの人たちは皆同じだと思い込むのがこのパターン化本能です

例えば、途上国と呼ばれる国に実際に足を運んでみたとします。そこでは想像していた世界とは別の世界が広がっていることが多かったりするものです(信号や下水道が整備されて、道端で死にかけている人がいない)

パターン化本能は、他国の現実に実際に触れてみることで初めて気づくことができます

でも、実際に足を運ぶというのはなかなか簡単にできることではありません。それではパターン化本能を抑えるにはどうしたらいいのか、そのためにはより適切な分類を見つけることが大切です

適切な分類を見つけるための重要な5つのポイントをご紹介します

  • 同じ集団の中の違いと、違う集団のあいだの共通点を探す
  • “過半数”に気をつける(51%なのか99%なのか)
  • 例外に気づく
  • 自分が『普通』だと決めつけない
  • 1つのグループの例を他のグループにあてはめていないか振り返る

パターン化を止めることはできないが、間違ったパターン化をしないように努力すべきなのです

  • パターン化は間違いを生み出しやすく、間違ったパターン化をしてはいけない
  • パターン化本能を抑えるためにはまずは正しい分類ができているか疑う

宿命本能

宿命本能とは、すべてはあらかじめ決まっているという思い込みです

この本能があるかぎり、1つ目でご紹介した存在しない分断(分断本能)も6つ目でご紹介した間違った一般化(パターン化本能)も『そういうさだめなんだ』と正当化してしまうことになります

宿命本能とは、人や国、宗教や文化によって、『生まれ持ったそういう運命だから、これからも変わらないのだ』と思い込んでしまうことです。たとえば、『あの宗教は子供が多い〜』だとか、『アフリカは西洋諸国に追いつけるはずがない〜』だというふうに。

この章でわかりやすかった例え話が、頑固オヤジの話です

  • 妻が夫の両親の世話をするのは当たり前
  • 子供の世話は1から10まで母親の仕事

これはアジアやアフリカでよく目にすると著者は言っていましたが、こんな変な習慣をもつ頑固オヤジがもしかしたらみなさんの周りにも心当たりがある方がいるのではないでしょうか?

このアジアやアフリカの国々で見かける『男らしさ信仰』はアジアの価値観でもアフリカの価値観でもない。イスラム教の価値観でも東洋の価値観でもない。ほんの数十年前までどこの国でも当たり前だった頑固オヤジの価値観であり、そんな価値観は消えて無くなる。変わらない文化などない。

それでは、どうすれば宿命本能を抑えられるのか、それは『ゆっくりとした変化でも、変わっていないわけではない』と気づくことです

その具体策として、『価値観なんて変わらない』、と感じることがあったら、親や祖父母の価値観と自分の価値観を比べてみることをすすめています

1年で1%という小さな変化でも、70年続けば倍になる。2%ずつなら35年で倍だし、3%ずつなら倍になるには24年しかかからない。小さな変化でも長い目で見れば大きく変わるのです

  • (人、国、宗教、文化)が変わらないように見えるのは、変化がゆっくりだからだと気づくこと
  • 知識をアップデートする(祖父母の価値観と自分の価値観の比較、文化の変わった例を見つける)

単純化本能

単純化本能とは、世界は一つの切り口で理解できるという思い込みです

この章でわかりやすかった例え話が、専門家についてなのですが、専門家、つまりその道のプロというのは、自分の専門分野以外のことについてプロではないのです

それにも関わらず、貴重な専門知識を持っていると、それを専門分野以外にも使いたくなってしまうものです

  • 数学の専門家が数字にこだわる
  • 気候変動の活動家が太陽光発電に関することになんでも口を出したがる
  • 医師が、予防に注力したほうがいい場面でも治療を勧めてしまうことがある

専門知識が邪魔をして、一角からしか世界が見れなくなる例です。問題解決には様々な角度から世界を見た方がいいのにもかかわらず。

それでは単純化本能を抑えるにはどうしたらいいのか、それは、一つの視点だけでは世界を理解できないということを知ることです

そのためにも、知ったかぶりをやめ、自分が器用に使える道具(ここでいう専門知識、自分の詳しい専門分野)がすべてに使えるわけではなく、ほかの道具を使う人(違う分野の知識人)の意見を聞き入れる必要があるのです

  • 問題解決のためには、さまざまな角度から見たほうが正確に理解でき、現実的な解を見つけられる
  • 自分の専門分野があっても、その分野以外で知らないことがあるということを謙虚に認め、知ったかぶりをやめる
  • 自分の専門分野だけでなく、他の分野の人たちの意見を聞き入れる

犯人捜し本能

犯人捜し本能とは、誰かを責めれば物事は解決するという思い込みです

物事がうまくいかないと、人は誰かがわざと悪いことを仕込んだように考えがちです

この犯人捜し本能のせいで、誰かを責めることに気が向くと、もしその“一髪食らわせる相手”が見つかればたちまち問題解決から遠のいてしまいます。なぜなら、その他の理由を見つけようとしなくなり、正しいことに注力できなくなってしまうから。

たとえば、飛行機事故を睡眠不足のパイロットのせいにしても次の事故は防げません。なぜうとうとしてしまったのか、睡眠不足のパイロットに操縦させないようにするにはどうしたらいいのか、犯人捜しをしている場合ではなく、問題解決のためにシステムを見直さなければならないのです。

犯人捜し本能を抑えるためには、誰かに責任をも求める癖を断ち切る必要があるといいます

物事がうまくいかなくなったとき、それは特定の誰かの仕業でなくても悪いことは起こりうるということを理解して、その原因を探すことに注力するべきなのです

  • 悪いことが起きた時、誰かを責めると原因追及にまで目が向かなくなり、将来同じ間違いを防げなくなる
  • 特定の人・グループの犯人捜しをするのではなく、その状況を生み出した原因を探ることに注力する

焦り本能

焦り本能とは、いますぐ手を打たないと大変なことになるという思い込みです

いつやるか?いまでしょ!

今日から考え方を変えよう!

一生世界を知らずに過ごしたくなかったら、今すぐ行動しよう!

あれ、どこかできいたことがあるようなフレーズが…?

このような言葉により、判断を急かされると、批判的に考える力が失われ、拙速に判断して行動してしまうのです

目の前に危機が迫っていると感じると、焦り本能がプレッシャーとなり、ほかの本能も抑えが効かなくなってしまうのです。そうすると、正しい分析ができなくなり、隅々まで考える前に過激な手を打ちたくなってしまう。

この焦り本能は、これまで紹介した本能全てに通ずるところがあると言っても過言ではないほど厄介で、特に注意すべきだと著者は言います

焦り本能を抑えるためには、時間をかけて情報を手に入れて考えることが必要です。また、“今”やらなければ二度とチャンスは来ない、というようなことはめったにないということを知っておくことも大切です

そして、正確で重要なデータを取り入れ、不確かな情報(未来に関する最低なシナリオなど、極端な予測)に気をつけるべきです

  • 『今すぐ決めなければならない』と感じたら、自分の焦りに気づくこと
  • 物事を判断するときは、時間をかけて正確な情報を集める
  • 不確かな予測に惑わされない

本書の読みやすさ

本書を読む前、そのページ数の多さに圧倒されました…

しかし、いざページを巡ってみると、スラスラ読めてしまう…それは、本書の例え話のわかりやすさから、内容がスッと頭に入ってきたからだと感じました

わたし自身、ビジネス書や自己啓発系の本をよく読むのですが、中には『これどういう意味?』『この言葉知らない…なんて意味なんや…』と読み詰まってしまう本もたくさんあります(表現が難しかったり、説明する内容が難解だったりしますから…)

しかし本書は、量は多かれ内容のわかりやすさでとても読みやすい作品でした!

ゆっくり時間をかけて噛み砕いて、自分の中に言葉をしっかり落とし込んで読む…ぜひおすすめしたい一冊です☺︎

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