新入社員として働き始めた方々はまず新入社員研修というものを受けるでしょう…
座学や現場研修など、企業によって内容や期間に差はあれど、必ず新入社員は初めに研修を受けるはずです
今回はわたし自身が入社当初に受けた新入社員研修がまるで宗教だったという話と、どうして新入社員研修が必要なのか?ということについて書いていこうと思います
新卒入社から数年になりますが、未だに新入社員研修のおかしさを忘れられません笑
- 新社会人の方
- 新入社員研修を考える立場の方
- 新入社員研修に疑問を感じる方
ぜひ読んでみてください☺︎
新入社員研修が宗教だった話
まず初めに、この記事を書いているpokoは、大卒で製薬企業に入社し、現在は研究職として働いています
わたしの会社での新入社員研修は大きく2つに分けられており、1つ目に大卒も高卒も全員で行われた座学と、配属部署ごとに分かれて行われた各グループでの現場研修でした
流れとしては、入社後1週間は座学で、それ以降配属部署が決定し、各部署内のグループを回りつつ(現場研修)適正を見てグループ配属を決めるという流れでした
ここで現場研修についての補足ですが、会社というのはいくつかの部署から成り立っており、その中でも複数にグループ分けされていることがほとんどです
たとえば生産の部署であっても、主要な原料を取り扱うグループ、製造するグループ、梱包するグループ…などなど1つの部署内でもさまざまなグループ分けがされています
わたしの場合、研究開発の部署ではありますが、開発、試験法の検証、申請、品質試験などなど複数のグループに分かれており、組織図を見たグループ名だけでは初心者の新入社員にはよく分からない場所も多いため、実際に現場に回って一部の仕事を体験するという研修を行いました
その企業の職種に精通していないと、グループ名を見ただけでは実際どういうことをするグループなのかわからない、ということはよくあることだと思います
この現場研修はよかったのです。
実際に現場を回ることで、どういうことをしているのかということを知り、どこのグループに所属したいかという具体性が増しますし、挨拶や教育を通して人間関係を築くことができます
問題は座学の方だったのです…!!
座学の方はまるで宗教なようで、今考えてみても『よくやってたな…』と本当に思います笑
宗教のような座学
わたしの勤める企業は患者さんの健康や命に直結する薬を製造する製薬企業ということもあり、薬ができるまでのフローを始め、倫理観・道徳や、遵守すべき法令についての教育を受けました
これらは、製薬企業で働く上では知っていて当然の教育だったため、何の抵抗もなく受けることができました
が、問題はそこではなく、“社会人としてのマナー”についての講義でした
わたしの入社した企業はとんでもなく挨拶や上下関係に厳しい、『ザ昭和』な企業だったのです。。。
研修を通して一番強く感じたのが、『めちゃくちゃ古臭いしきたりのある会社なんだな』ということでした…
ということで、我が社の伝統ある新入社員研修の座学の内容をまとめてみました
- 毎朝大声で社是の朗読
- 『おはようございます』『ありがとうございます』と言った基本の挨拶を一人ずつ前に出て披露
- 起立・着席の練習
- 新入社員としての心得を伝授
1.毎朝大声で社是の朗読
『ここは何か宗教団体の巣窟か??』と言わんばかりに、会議室にぎちぎちに集められた新入社員一同の朝は、まずは大きな声で社是の朗読から始まります
もちろん、社是を暗記することは必須事項。最初に暗記させられ、以降何も見ずにみんな同じ方向を向いてひたすら大きな声で社是を読み続けます
この社是が割としっかりとした量があって覚えるのが大変なこと!!
まるでそれまでの学生生活で覚えてきた校歌のように、当然のように覚えさせられましたが、曲になっている校歌の方が覚えやすくて幾分マシです。。
会社に入ってまで覚えさせられるとは思ってもみませんでした
もちろん、しっかりと監視役のおじさん社員がおり、サボろうという者があれば名指しで怒られます。なんなんだ…
たしかに、その企業の一員として働く以上、社是に目を通しておくことは大切なことだと思います。が!丸暗記を強要したり、大声で朗読させたり、ましてや少しでも声を出していないとあれば揚げ足を取るかのように指摘するその姿勢…『なんなんだこの会社は』と思わざるを得ませんでした
2.基本の挨拶を一人ずつ前に出て披露
社会人の基本は気持ちの良いあいさつから!あいさつもできないような社会人は仕事もできないと思われる!
などなど…我が社はどうやら挨拶に力を入れているらしく、特に人前に出る仕事でもない我々新入社員は大きな声でのあいさつの練習をさせられていました
たしかに、社会人になっていざ働き始めてみると、すれ違いざまにお辞儀をしたり挨拶をしたりできる方の方が『仕事ができそう』、『人柄が良さそう』という印象を感じることは多くあり、逆に素通りする方に対しては『マナーがなってないな』と感じてしまいます(もしかしたらこれが宗教の訓練の効果なのかもしれませんが笑)
まるで接客業の訓練のようでした笑
しかしそれらはあくまで挨拶をするかどうか、会釈をするかどうかという問題。いくらなんでもめちゃくちゃ遠くにいる人に対して『おはようございます!』と叫ぶことはないですし、挨拶はほとんど近くの相手にするものなので、大きな声でされてしまっては逆に迷惑になってしまいます
挨拶を義務付けたい意思はよくわかったのですが、さすがに一人一人前に出て発表形式でするのは、まるで声の大きさを競っているだけのようで全く見当違いだと感じました
まさか社会人になってまで、そんな古臭いスパルタ教育じみたものを受けるとは…笑
3.起立・着席の練習
新入社員たるもの、自分が座って業務をしているときに上長が近づいてきたらすかさず立ち上がって挨拶するべし!!指示が出るまでは勝手に座るなかれ!!
とかなんとか…
いやどこまで古臭いんだよという話です笑
たしかに上長が来れば会釈くらいはして当然だと思いますが、わざわざ業務中に立ち上がって、それも指示が出るまで座れないとなると、場合によってはかなりの時間拘束され、業務遂行もくそもありません
それに、それを美徳とする頭の硬いおじさんおばさん上司もいる一方で、『わざわざ立ち上がらないで!仕事続けてていいよ!』という人たちもいるもの確かです。が、やはり我が社は前者の頭の硬い方々が多い(というより権力がある)ようで、未だにそういった教育が蔓延っているのが現状のようです
いくら新しい考えの人が入って来ても、従来の古臭い人たちが消えない限りなかなか会社を刷新するのは難しいのです…
とにかく、そういった謎のしきたりがある我が社では、とにかく俊敏に動けるように、起立・着席の練習もさせられました
新入社員全員でざっと立ち上がり、ざっと座る…それはまるで卒業式の練習をする小中学生のような…(もしかして最近の小中学生よりも厳しい?笑)
一人でも遅れた人がいれば、全体責任として何度もやり直しをしたので、ただの座学なのに日々クタクタでした(°_°)
4.新入社員としての心得を伝授
新入社員たるもの、毎朝先輩方よりも早く来て業務の準備をしたり、勉強したりするべし!という風な、なんとも古臭い“新入社員の心得”を教え込まれました
そのためわたしたち新入社員は始業時刻の約1時間前に来る生活が約1年間続いたのです
もはや違法です笑
たとえ会社に着くのが遅くなったとしても、直接的に注意されるようなことはありませんでしたが、陰でヒソヒソ言ったり、他の新入社員の悪口を聞かされたりとで、牽制されていた気がします
後々になってそういった実態に注意が入ったのか、早く来ることを強要すると言った事はだんだんと収まっていき、わたしが2年目になる頃、次の新入社員が入社した時にはほとんどなくなっていたようですが、それでもわたし達が受けた傷は浅いものではなく、それ以来出社時間でまたとやかく言われるのではないかという不安が少し残っていました
そして、なんでも指示を受けたらとにかく『やります!!』精神の伝授です
確かに、新入社員の評価ポイントといえばやる気の有無しか無いと言ってしまえばそれまでですが、そう言った事を強要したり、成果主義に追いつけない会社の古臭い社風がひしひしと感じられました
新卒で社会人経験のないわたしは、『会社ってこういうもんなんだな』と思うしかなかったのです
社内の風通しの良し悪しや風土はなかなか入社前の見学や研修だけではわかりづらいものです
それでもやはり、ある程度の雰囲気は先輩社員の話からも掴んだつもりで入社したわけですが、まさか最初の新入社員研修でここまで古臭い社風が露呈するとは思っていませんでした
なぜ新入社員研修が必要なのか?
なぜ新入社員研修が必要なのかー?
もちろん、各企業ごとの専門分野の知識や社会人としてのマナーを極めるための教育の意味がありますが、それとは別に、その会社の社風に順応させるための狙いが大きいと思います
たとえばわたしの例で言えば、わたしの会社では他の社員や外部の方とすれ違うときに必ず挨拶をするように徹底されています
これは社会人として当然のマナーとも言えるかもしれませんが、中には挨拶をせずに素通りする人だっています
こういった人に対して、入社前のわたしであれば特段気にも留めずに受け流していたと思いますが、宗教じみた新入社員研修を受けたわたしは『この人挨拶しなかった…マナーがなってないな』と感じるようになってしまったのです
こんな細かい考えになってしまうなんて、自分でも悲しいなと思います。。
つまり分かったことは、まだ若いわたしですらそういった考えに及ぶと言うことは、さらにご年配のザ頭のお硬いおじさんおばさん方はさらにそういった考えを持っているに違いない!ということです
そういったお硬い連中に目の敵にされないように、自分を守るために、この会社でのしきたりというものを学んだのだなと感じました
たしかに、元はと言えばそういった古臭い社風が悪い!!と言われて仕舞えばそれまでなわけですが、新入社員1人が意識改革できるはずもなく、はたまた入社してすぐなので次の転職先を探せる余裕があるわけでもなく…
結果としてその会社で“うまくやっていく”ための教育だったのだなと感じました
ここでわたしがお伝えしたいのは、郷に入れば郷に従えということです
ただし、それはあくまでその会社内での姿であり、決してそれが世間の真実ではないということ、その会社に飲まれないように気を張ることを絶対に忘れないでください…!
仕事とプライベートのON・OFFは本当に大切です!!
もし新入社員研修がつらい…という方や、わたしの会社のように宗教みが強くて頭がおかしくなりそう…という方がいれば、その考えは間違いではない!!!ということを忘れないでください!
会社内でうまく立ち回っておけさえいればそれでいいのです。そのための教育だと思ってください。
この他、会社でのうまい立ち回り方についても他の記事で書いているので、是非読んでみてください☺︎
ここまでお読みいただきありがとうございました!
おしまいっ
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